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2005年07月13日

バックナンバー (Vol.12)

2005/05/24 Vol.12 技術士 鈴木裕
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目次
1.ものづくりのヒント
2.マーケティングのヒント
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こんにちは、
技術士の鈴木裕です。

先週は、自動車技術会の春季大会で、横浜に出張していました。
世の中の変わる速度はどんどん速くなり、昨日は中心だったテーマが今日はもう閑古鳥、と言うことになっています。

HEV(ハイブリッド電気自動車)のセッションは、昨年までは講演も聴講者も多かったのですが、今年は取り下げになった講演もあり、聴講者もまばらになっていました。
話題は新エネルギーの方に向いているようで。

それでは、今回も、「儲けを生む、ものづくりとマーケティングのメールニュース」、お届けします。

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1.ものづくりのヒント

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□テクノロジー
自動車技術会の春季大会では、「人とくるまのテクノロジー展」と言うのを併設している。
自動車関連企業の最新技術展示や、自動車関連企業に売り込もうと言う設備メーカーが展示していて、去年あたりからは、英国政府や、今年は北九州市が企業誘致のブースまで出していて、なかなか面白い。

はっきり言って、商業化された東京モーターショウなんかよりよほど面白いので、時間のある人は見に行くといい。しかも、入場無料。

さて、このテクノロジーと言う言葉、実は18世紀の産業革命で生まれた言葉だ。
「技能」をあらわす「テクネ」に、「体系化された知識」と言う意味の接尾語「ロジー」をつけたのだそうだ。
「テクネ」と言う言葉には「秘伝の」と言う意味もあり、それまでは、技能と言うもの、門外不出で、修行して身に付けるしかなかった。
(ピータードラッガー、プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか、より)

ところで、人類がここまで進歩した理由のひとつに、「言葉」の発明がある、と言う。
言葉によって、他人の経験を「知識」として自分のものに出来るようになったからだ。

大学も、もっと即戦力になる技術を、と言うのが風潮だが、私は反対だ。
小柴昌俊博士がノーベル物理学賞を受賞された時にも、このような、大学の成果による評価を批判された談話を発表された。

私は、大学の役割は、「新しい知識を見つけること、と、整理して体系化した知識を教えること」だと思っている。

自動車技術会の講演を聴いていてこんな風に思った講演がいくつかある。
「どうして大学がこんなレベルの低いことをやっているのか?」
同じセッションの企業の講演の方がより学術的にも優れているのだ。
少し、日本の将来が不安になった。

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2.マーケティングのヒント

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□ 標的市場(3)
先週は、標的市場を見つけてどうするのか、と言う話だった。
クイズの答えは、どちらも間違い。

もし、あなたのお店で単価10万円の高級品と5万円の普及品だけを扱っていて、9800円の廉価品を買い求めに来たお客さんがいたら、「ウチでは扱っていません」と言うまでは正しい。しかし、だまって帰してはいけない。
お客さんとのコンタクトの手がかりをつくっておく。

「よろしければアンケートを。。粗品を差し上げますので」、「ウチではこのような商品についての情報誌を無料で発行しているのですが、よろしければお送りしましょうか?」、「よろしければ会員登録されると、お買い得商品などの情報をお届けします。」
など、手段はいろいろだ。

商売を魚釣りに例えることがあるが、まさにそのとおり、「キャッチ・アンド・リリース」。「今はまだ小さいけど、大きくなって帰ってきてね。」と言うのがキャッチ・アンド・リリースの本来の意味だ。

今は、9800円の品物が欲しいそのお客さんも、そのうちに9800円では物足りなくなって、5万円、10万円の商品が欲しくなるのだ。その時に、あなたのお店を思い出してもらわなければいけない。

投稿者 suzuki : 2005年07月13日 16:46

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