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2005年08月11日

バックナンバー(Vol.18)

2005/08/02 Vol.18 技術士 鈴木裕
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儲けを生む、ものづくりとマーケティングのメールニュース
 〜あなたの会社がもっと儲かるためのヒントをお届け〜
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目次
1.お知らせ
2.今週のヒント
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こんにちは、
技術士の鈴木裕です。

8月に入りました。
最近、ある教材を買ったのですが、「鈴木様、この教材ご購入1番乗りでした」と書き添えてあって、なんとなく嬉しくなってしまいました。
別に1番だからと言って何かくれたわけでもないのですが…
こんな一言が、親近感を増して、また購入しようかなあ、と言う気持ちにさせてくれます。

では、今週も「儲けを生む、ものづくりとマーケティングのヒント」お送りします。

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1.お知らせ
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□ 今週は、特にお知らせはありません。

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2.今週のヒント
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□ コンセプトの話をするつもりでしたが、面白い記事を読んだのでそれについて。

「日本市場は正常ではない」

日産自動車のマーケティング部長が言ったらしい(8/1朝日新聞、「読めない売れ筋」参照)。
新車効果が長続きしないそうです。出してもすぐに売れ行きが止まってしまうとか。

私は、「やっと日本市場も正常になった」のだと思います。
欧米の車市場は、20年も前から、毎年モデルチェンジです。そのころの日本と言えば、高度成長期の真っ只中。何か出していれば売れました。その方がよほど異常な状態なんです。

日本のクルマ市場がやっと成熟した、と言うことですね。
市場が成熟すれば、商売のやり方は変えなければいけません。

ほとんどのカーメーカーが苦しんでいる一方で、順調に業績を伸ばしている会社があります。
光岡自動車と車輪庫は、レトロ調の改造車を作っている、れっきとしたカーメーカーです。車輪庫は創業4年目の若い会社です。
光岡自動車の「ガリュー」は、日産の「フーガ」のボディーを変えたもの、車輪庫の「デュッセン・バイエルン マイスター」は、BMWの「Z3」ベースでメルセデスの190SLそっくり(190SLの意匠権はすでに消失)です。

レトロが流行る、と言っているのではないですよ。
全体をよく見渡して、人がやっていないところに手をつけるのもひとつの方法、と言うことです。
こういうのを戦略と言うのです。

反面、全体を見た上で、それでも競争の激しい市場にあえて参入する、というのもまた戦略ですが、あくまで、全体が見えていないと「日本市場は正常ではない」などと悩むことになります。
競争が激しいところほど、製品のライフサイクルは短いですから、モデルチェンジも頻繁にしなければいけません。売れ筋なんてそもそも読めません。常に市場からフィードバックを受けるしか方法はないんです。そのサイクルを短くしてすばやく対応する必要があります。

他が参入しないところで確固たる地位を築いてしまえば、競争する必要もありません。
フェラーリは、高価格スポーツカーに特化して、創業から58年間、この市場で敵はいません。今はフィアットの傘下に入ってしまいましたが、フェラーリがスポーツカーの代名詞であることに変わりはありませんね。

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(c)鈴木裕&SRD Inc. All rights reserved.
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□ ご意見、ご感想をお待ちしています。
技術士(機械部門・総合技術監理部門) 鈴木 裕
http://blog.suzukiyutaka.com/
有限会社SRD代表取締役/近畿大学非常勤講師

投稿者 suzuki : 2005年08月11日 04:55

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