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2005年05月05日

あなたの会社の秘密は大丈夫ですか?

コンサルティングの悪魔と言う本があります。

コンサルティングの悪魔―日本企業を食い荒らす騙しの手口
ルイス ピーノルト Lewis Pinault 森下 賢一

徳間書店 2000-10
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この、ルイス・ピーノルトという人は、元大手コンサルティングファームの凄腕コンサルタントです。
この本には、あるメーカーが、大手コンサルティングファームに企業秘密を盗み出され、ライバル企業に売り渡される、と言う話が書いてあります。

これはフィクションではありません。事実なのです。
いかに大手といっても、コンサルタントにあなたの会社の大事な秘密を預けると言うのは危険ではありませんか?

守秘義務契約を結ぶ。
これは最低限必要です。しかし、守秘義務契約は、あなたの会社が損失を出した時にその損失を取り返す、と言う民事上の権利だけの話です。
被害を未然に防止することはできません。
更に、損失を取り返すためには、裁判をおこさなければなりません。何年もかかります。それで全額取り返せるかというとそんなことはめったにありません。

大手の企業なら、その裁判に費やす年数や費用も捻出できるでしょうが、中小企業ではひとたまりもありません。

資格を持ったコンサルタントを選ぶ、と言うのも一つの方法です。
ところが、多くの資格では、守秘義務違反に対する法律上の罰則はありません。
今は独立行政法人になりましたが、国立大学の先生など国家公務員であっても、法律上の守秘義務は限定されていて、罰則も規定されていません。

もちろん、これは法律上だけの話であって、人間、そうそう悪事を働くものではありませんから、すでに信頼関係ができているコンサルタントならば、それでもいいと思います。

これからコンサルタントを雇う場合は、肩書き経歴や実力だけではなく、あなたの会社の秘密を守れるか、と言うことについても十分考える必要があります。

例えば、技術士には技術士法に定められた義務があります。

信用失墜行為の禁止 (第四十四条)  
技術士等の秘密保持義務 (第四十五条)  
技術士等の公益確保の責務 (第四十五条の二) 
技術士の名称表示の場合の義務 (第四十六条)  
技術士補の業務の制限等 (第四十七条)  
技術士の資質向上の責務 (第四十七条の二)

この中で、秘密保持義務に関しては、非常に厳しい罰則があります。
「第四十五条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 (技術士法 第五十九条)」

これは、他の専門職資格(弁理士、医師、弁護士など)に比べても厳しいものです。
「(弁理士法 第八十条) 第三十条又は第七十七条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。(第三十条、第七十七条は守秘義務)」
「(刑法 第百三十四条) 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 」

当然、これらは法律上の刑事罰であって、これに加えて、資格停止、剥奪などの行政処分は当然、科せられます。

投稿者 suzuki : 2005年05月05日 03:53

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